歯周病とはPeriodontal disease
歯周病は、歯と歯肉とのあいだ(歯肉溝)に汚れがたまり、歯肉に炎症が起こると、はじまります。正常な歯肉溝は2mm位で、炎症を起こして腫れると歯肉溝が深くなり、ポケットになります。ポケットの深さが3~5mmになると歯肉が赤くなり、歯を磨く時に出血します。
歯周病が進行すると、歯肉の腫れが大きくなり、歯周病菌が歯周組織に侵入し、歯を支える骨を徐々に破壊していきます。ポケットの深さが6mm以上に深くなると、汚れが固くなり歯石となって、歯の根を覆ってきます。末期には、体の疲れとともに歯肉が腫れ、膿が出てきて、歯がぐらつき、強い腐敗臭を放つようになってきます。また、歯肉のポケットから血管に歯周病菌やその毒素が入ると、動脈硬化の原因のひとつになると言われています。
歯周病は、虫歯と違って、なかなか症状は現れにくく、知らないうちに進行して、病状が進むまで自覚しにくい病気です。さらに進行すると、歯はグラグラになって抜け落ちます。歯周病は生活習慣病といわれ、再発し易く、定期的な管理が必要になります。歯周病は、膿が出て、痛みが出る頃には重症になっています。そうなる前の自覚症状がないうちに適切な治療・定期健診を受けることをおすすめします。
動脈硬化などとの関係
歯周病は細菌感染症であるため、細菌が血中に入ることにより、動脈硬化が進む可能性が報告されています。脳血管や心臓の冠動脈などでは、細菌の作り出す毒素によって血栓ができやすくなり、脳梗塞、心筋梗塞を起こすことがあります。
糖尿病との関係
高血糖値が長く続くと、タンパク質と糖が結合した物質ができ、歯肉の炎症を起こします。また、歯周病菌が血中で作る物質が、血中の糖濃度を下げるインスリンの働きを阻害します。
たばことの関係
喫煙の習慣があると歯周病が起こりやすく、症状が進行する可能性が2倍から9倍になります。歯周病の治療を進める際は、喫煙を止めなければ、効果が出にくいとされています。